親の要介護認定はいつ、どう申請する?流れと、結果が出るまでの日数

親の要介護認定は、暮らしに手助けが要りそうだと感じた時点で申請して大丈夫です。窓口は親が住む市区町村か、その地域の地域包括支援センターです。法律の期限は30日以内ですが、全国の実際の平均は約40日でした(2024年度)。早めに動くほど、結果を待つ間も落ち着いて準備できます。
3行でわかる
- 申請は親本人か家族ができ、地域包括支援センターなどに代わりに出してもらうこともできます。
- 流れは「申請→自宅での聞き取り調査と主治医の意見書→コンピュータ判定→専門家の審査→結果の通知」です。
- 法律では30日以内ですが、2024年度の全国平均は39.9日。30日以内に結果が出たのは22.8%でした。
01結論から言うと
「介護が必要になってから」ではなく、着替えや買い物、薬の管理などに手助けが要りそうだと感じたら申請を考えてよい時期です。結果が出るまで1か月以上かかるのが普通なので、早めの相談が安心です。
要介護認定は、介護保険のサービスを使うための入り口です。要支援1・2から要介護1〜5までの7段階と「非該当」のどれに当たるかを、市区町村が決めます[4]。
認定の効力は、結果が出た日ではなく申請した日にさかのぼります(介護保険法第27条)[3]。迷っているうちに時間が過ぎるより、まず申請や相談をしておく方が損をしにくい仕組みです。
「非該当」になっても、市区町村の介護予防のサービスなどが使える場合があります[4]。申請したら必ず何かが決まってしまう、というものではありません。
02研究とデータでわかっていること
申請から結果までの全国平均は39.9日で、平均が30日以内に収まった保険者(市区町村など)は1,561のうち70でした。いちばん時間がかかるのは主治医の意見書で、平均17.9日です(2024年度申請分)。
申請から結果までの流れは、次の5つの段階です[4]。
- 申請: 申請書と介護保険被保険者証を、親が住む市区町村の窓口などに出します。主治医の名前・病院名がわかるものも用意します[6]。
- 認定調査: 市区町村の調査員が自宅などを訪ね、心身の状態を聞き取ります。
- 主治医意見書: 市区町村がかかりつけ医に依頼します。作成料の自己負担はありません。
- 判定: コンピュータによる一次判定と、専門家の介護認定審査会による二次判定。
- 通知: 結果と、認定の有効期間が届きます。新規は原則6か月です。
厚生労働省が公表した2024年度申請分のデータでは、段階ごとの平均日数は次のとおりでした[1]。
- 調査の依頼から聞き取り調査まで: 11.1日
- 主治医意見書の依頼から入手まで: 17.9日
- 書類がそろってから審査会の判定まで: 16.8日
都道府県別の平均は、短い香川県の29.9日から、長い三重県の46.6日まで開きがありました(47都道府県の値と、保険者の数は当メディアで集計)[1]。親が住む地域の日数は、出典の一覧で市区町村ごとに確認できます。厚生労働省は、30日以内に収めるための目安として「調査は依頼から7日以内」「意見書は依頼から13日以内」を自治体に示しています[2]。
Tsutsuiら(2005)[7]
要介護認定は、全国どこでも同じ基準で判定するために作られた仕組みです。コンピュータの一次判定は、介護施設で職員が実際にかけた介護の時間を大規模に調べたデータをもとに作られ、制度開始前に175,129人分のデータで検証されました。
対象: 日本の介護保険の認定制度の解説論文 / 限界: 2005年時点の仕組みの説明で、調査項目などはその後見直されています。
Suzukiら(2022)[8]
認定調査の項目(現在は74項目)のうち、薬を飲む・日用品の買い物といった「生活の手段の動作」ができにくい人ほど、2年後に介護度が重くなる人が多いという関連がありました。
対象: 千葉県柏市で要支援1・2または要介護1・2と認定された68歳以上の2,844人 / 限界: 1つの市のデータで、関連を見た研究です。
03まだわかっていないこと
どの段階で申請すると親の暮らしにいちばん良いかを比べた研究は、見つかりませんでした。地域による日数の差がなぜ生まれるのかも、まだ整理の途中です。
- 早めに申請した人と遅れた人で、その後の暮らしがどう違うか(比べた研究は見つかりませんでした)
- 地域ごとの日数の差の理由(厚生労働省は、早い自治体の工夫を聞き取って示した段階です)[2]
- 主治医意見書を申請前に用意する方法を広げるかどうか(2025年時点で国の審議会が検討している段階です)[5]
04親と一緒にできること
申請は「介護される」宣言ではなく、使える支えを確かめる手続きだと伝えます。親の困りごとを一緒に書き出し、地域包括支援センターに相談するところから始めると負担が少なくなります。
「使えるものを確かめておこう」と切り出す
「介護が必要って意味じゃなくて、何か使える支えがあるか一度聞いておきたいんだけど、どうかな」と、親が決める形で話します。親が乗り気でなければ、その日は気持ちを聞くだけで十分です。
目安 電話や帰省のときに1回
親の地域の地域包括支援センターに電話する
センターは申請の相談にのり、代わりに申請することもできます[3]。電話の前に、主治医の名前と病院名を親に聞いてメモしておきます[6]。
目安 申請を決めたら1週間以内
聞き取り調査の前に、困りごとを一緒に書き出す
調査のときは、つい「できます」と答えてしまう人もいます。「最近、薬を飲み忘れることある?」と一緒に振り返り、ふだんの様子をメモにして調査員に渡せるようにします。家族が立ち会えるかは、調査の日程を決めるときに聞いておきます。
目安 調査日の前に30分ほど
結果を待つ間に、かかりつけ医に一言伝えてもらう
意見書がいちばん時間のかかる段階です[1]。次の受診で「介護保険の申請をしたので、意見書をお願いします」と親から伝えてもらうと、話が早く進みやすくなります。
目安 申請後の最初の受診で
転倒をきっかけに申請を考える家庭も多くあります。転倒の防ぎ方は親の転倒を防ぐには?、物忘れが気になる場合は親の物忘れは年のせい?も参考にしてください。
05よくある質問
要介護認定の結果が出るまで何日かかる?
法律では原則30日以内ですが、2024年度申請分の全国平均は39.9日でした。30日以内に結果が出たのは22.8%です。地域によって差があり、都道府県別の平均は29.9日から46.6日でした。
離れて暮らす子どもが代わりに申請できる?
家族が申請できると案内している自治体があります。親が住む地域の地域包括支援センターなどに申請を代わってもらうこともできます。まずは親の住所を担当するセンターに電話で相談してください。
結果に納得できないときや、状態が変わったときは?
状態が変わったときは、有効期間の途中でも「区分変更」の申請ができます。結果の受け止め方に迷ったら、市区町村の窓口か地域包括支援センターに相談してください。
出典
- 厚生労働省. 認定審査期間等の公表(令和6年度分、2024年4月〜2025年3月申請分). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51603.html
- 厚生労働省老健局老人保健課. 事務連絡「認定審査期間等の公表について」(令和7年3月31日). https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001469244.pdf
- 介護保険法 第27条(要介護認定). e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム. サービス利用までの流れ(2026年10月閲覧). https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html
- 厚生労働省老健局. 要介護認定について(社会保障審議会介護保険部会 第122回 資料4、令和7年6月30日). https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001510551.pdf
- 大田区. 介護保険・制度について よくある質問(2026年3月31日更新). https://www.city.ota.tokyo.jp/faq/bunya/fukushi/kaigohokenseido.html
- Tsutsui T, Muramatsu N. (2005). Care-needs certification in the long-term care insurance system of Japan. Journal of the American Geriatrics Society, 53(3), 522-527. https://doi.org/10.1111/j.1532-5415.2005.53175.x
- Suzuki A, et al. (2022). Factors Affecting Care-Level Deterioration among Older Adults with Mild and Moderate Disabilities in Japan: Evidence from the Nationally Standardized Survey for Care-Needs Certification. International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(5), 3065. https://doi.org/10.3390/ijerph19053065


