ひとり暮らし・見守り

親が訪問販売や点検商法で高い契約を。消費者トラブルのデータとクーリング・オフ

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わかっている度 ★★☆ 中研究2本・公的資料4件を整理
住宅の分電盤
Photo: Carnby / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・サービスの紹介はしていません。出典は末尾)。

親の家に知らない業者の契約書があった。工事の跡があるけれど、親は「必要だと言われたから」としか言わない。そんなとき、まず確かめたいのは日付です。訪問販売や電話勧誘販売の契約は、法律で決められた書面を受け取ってから8日以内なら、理由を問わず取り消せます(クーリング・オフ)。期間を過ぎても、書面に不備があれば取り消せる場合があります。

3行でわかる

  1. 点検を装って契約させる「点検商法」の相談は、2025年に20,058件。2021年の2.7倍に増えました。
  2. 訪問販売・電話勧誘販売は、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできます。はがきやメールで、親本人が通知できます。
  3. 認知症などで判断力が十分でない高齢者の相談は、本人から寄せられたものが25.8%だけ。家族が気づくことが大切です。

01結論から言うと

訪問販売や点検商法で結んだ契約は、書面を受け取って8日以内ならクーリング・オフできます。迷ったら、親を責めずに一緒に契約書を見て、消費者ホットライン「188」に相談します。

クーリング・オフは、一定の期間なら無条件で申し込みを取り消したり、契約を解除したりできる制度です[3]。訪問販売では、工事が終わっていても代金を払う必要はなく、家を元どおりにしてもらうこともできます[4]。

ただし、使うと価値がなくなる消耗品を使ってしまった場合や、3,000円未満の現金取引などは対象外です[4]。自分で判断せず、早めに相談するのが確実です。

02研究とデータでわかっていること

70代・80歳以上の相談は、ほかの年代より訪問販売や電話勧誘販売の割合が高くなっています。特に住まいの設備の「点検」から始まる契約トラブルが急増しています。

20,058件「点検商法」に関する消費生活相談(全国、2025年。2021年の2.7倍)
32.0万件契約した人が65歳以上の消費生活相談(全国、2025年。全体の約3割)
8割超分電盤の点検商法の相談のうち、契約した人が70歳以上の割合(全国、2025年度)
25.8%認知症などの高齢者の相談のうち、本人から寄せられた割合(全国、2025年)

消費者庁の令和8年版消費者白書によると、点検商法では給湯器や太陽光発電、分電盤やブレーカーなどの住まいの設備の契約トラブルが多く寄せられています[1]。国民生活センターに寄せられた分電盤の点検商法の相談は、次のように急に増えました[2]。

国民生活センターは、電気設備の法定点検で、点検のあとに調査員が分電盤の交換工事の契約を持ちかけることはないとしています[2]。

また、65歳以上の相談全体では、本人から寄せられた相談が83.7%でした。ところが、認知症などで判断力が十分でないとされた高齢者の相談(2025年に10,020件)では25.8%にとどまります[1]。本人がトラブルに気づきにくく、家族や周りが気づいて相談する形が多いと考えられます。

Lichtenbergら(2013)[5]

過去5年に詐欺にあった高齢者は4.5%でした。気持ちの落ち込みが最も強く、人とのつながりの満足度が最も低い人たちでは14%と、ほかの人たち(4.1%)の約3倍でした。

対象: 米国の全国調査に参加した高齢者4,400人 / 限界: 本人の申告による被害で、訪問販売だけを調べた研究ではありません。

Jamesら(2014)[6]

「知らない相手でも電話が鳴れば出る」「勧誘の電話を切りにくい」などの点数が高い「だまされやすさ」は、考える力、心の健やかさ、お金や健康についての知識(リテラシー)が低いことと関連していました。

対象: 米国シカゴ周辺の認知症のない639人(平均82.4歳) / 限界: 自己評価の点数で、実際の契約トラブルを数えた研究ではありません。

03まだわかっていないこと

訪問販売のトラブルを家族の関わりでどれだけ防げるかを、くらべて確かめた研究は見つかりませんでした。相談件数は、実際の被害の一部しか表していません。

  • 相談件数は「相談された数」で、相談されなかった被害は数えられていません。
  • 紹介した研究は米国のもので、日本の訪問販売の状況にそのまま当てはまるかはわかりません。
  • 家族の声かけや見守りで被害が減るかを、くらべて確かめた研究は見つかりませんでした。

04親と一緒にできること

まず親を責めずに話を聞き、契約書の日付を一緒に確かめます。そのうえで「点検の話はその場で決めない」を家族のルールにします。

1

責めずに、何があったかを聞く

「だまされたの?」ではなく、「最近、家の点検に来た業者さんっていた?どんな話だった?」と聞きます。叱られると思うと、親は次から隠してしまいます。

目安 気づいたその日に

2

契約書の日付を一緒に見て、188に相談する

書面を受け取った日から8日以内なら、クーリング・オフできます。はがきなら両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留で出します。クレジット契約は、販売会社とクレジット会社の両方に通知します[3]。書き方に迷ったら、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターにつながります[2]。

目安 8日以内に。期間を過ぎていてもまず相談

3

「点検の話はその場で決めない」を家族のルールにする

「工事の話が出たら、決める前に写真を送ってくれる?私も家のことで相談したいときあるし」と、お互いさまの形で伝えます。国民生活センターも、点検した業者とその場で契約しないよう呼びかけています[2]。

目安 帰省や電話のついでに1回

4

同じことが続くなら、暮らし全体の相談につなぐ

見慣れない契約書や同じ商品が何度も届くなど、トラブルが重なるときは、物忘れのサインも合わせて見てみます。気になるときは、かかりつけ医かお住まいの地域の地域包括支援センターに相談できます。

目安 2回目のトラブルがあったとき

電話から始まる詐欺の対策は、高齢の親と特殊詐欺のデータで整理しています。

05よくある質問

親が訪問販売で契約した工事、もう終わっていてもクーリング・オフできる?

できます。訪問販売のクーリング・オフでは、工事などがすでに行われていても代金を払う必要はなく、家を元に戻すことも無料で求められます。書面を受け取った日から8日以内が期間です。

クーリング・オフの8日を過ぎたら、もう取り消せない?

取り消せる場合があります。書面の記載に不備があるときや、業者がうそを言ったりおどしたりしてクーリング・オフを妨げたときは、期間を過ぎてもできます。通常必要な量を大きく超える契約は、1年間は解除できる決まりもあります。まず188に相談してください。

クーリング・オフは親が自分で出せる?家族は何を手伝える?

通知は契約したご本人が自分で行えます。書き方がわからないときは、消費生活センターに相談しながら、家族が一緒に書面を準備すると安心です。はがきの両面コピーと送った記録は5年間保管します。

出典

  1. 消費者庁. 令和8年版消費者白書 第1部第1章(2026年6月公表). https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/consumer_research_cms201_260612_33.pdf
  2. 国民生活センター. 分電盤の点検商法にご注意ください-相談が各地に広がり増加しています-(2026年9月16日公表). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_2.html
  3. 国民生活センター. クーリング・オフ(2022年6月1日更新). https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
  4. 消費者庁. 特定商取引法ガイド 訪問販売. https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
  5. Lichtenberg PA, Stickney L, Paulson D. (2013). Is Psychological Vulnerability Related to the Experience of Fraud in Older Adults? Clinical Gerontologist, 36(2), 132-146. https://doi.org/10.1080/07317115.2012.749323
  6. James BD, Boyle PA, Bennett DA. (2014). Correlates of susceptibility to scams in older adults without dementia. Journal of Elder Abuse & Neglect, 26(2), 107-122. https://doi.org/10.1080/08946566.2013.821809