ひとり暮らし・見守り

親がスマホやネットでトラブルに。ネット通販・定期購入・偽の警告画面のデータと家族の備え

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的資料4件を整理
ノートパソコンのキーボード
Photo: One Idea LLC / CC0 / Stocksnap
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・サービスの紹介はしていません。出典は末尾)。

親がスマホで買い物を始めて、お試しのはずが毎月届くようになった。パソコンに急に警告が出て、電話をかけてしまった。そんな相談は珍しくありません。65歳以上の消費生活相談では、手口別で「インターネット通販」と「定期購入」が上位2つです。スマホを取り上げるのではなく、困ったときにすぐ家族に話せる関係をつくることが、いちばん現実的な備えです。

3行でわかる

  1. 2025年度、65歳以上の相談は330,497件で、手口別では「インターネット通販」69,399件、「定期購入」46,958件が上位でした。
  2. パソコンに偽の警告を出して電話させる「サポート詐欺」は、70歳以上の相談が大きく増えたと報告されています。
  3. 年齢でだまされやすくなるかは、研究で結果が分かれています。全員が見分けにくいメールも多くあります。

01結論から言うと

高齢の親のネットのトラブルで多いのは、ネット通販と「お試しのつもりの定期購入」です。家族にできるのは、注文前と困ったときに相談しやすくしておくことです。

ネットを使う高齢の親は珍しくありません。総務省の2025年の調査では、インターネットを使う人の割合は70〜79歳の男性で77.0%、女性で67.5%でした[3]。

使う人が増えれば、トラブルの形も変わります。国民生活センターによると、化粧品・健康食品の相談は主に定期購入に関するもので、「1回のみのお試しで購入したつもりが定期購入になっていた」という例が多くみられました[1]。

電話や訪問のトラブルは、別の記事にまとめています。特殊詐欺のデータと訪問販売・点検商法とクーリング・オフもあわせてどうぞ。

02研究とデータでわかっていること

65歳以上の相談は2025年度に33万件を超え、手口別ではネット通販と定期購入が上位です。通信販売の相談の割合は、60代後半で最も高くなっています。

69,399件65歳以上の相談のうち「インターネット通販」の手口(日本、2025年度)
46,958件同じく「定期購入」の手口(65歳以上、日本、2025年度)
49.8%年齢がわかる「定期購入」の相談のうち65歳以上の割合(2025年度。国民生活センターの数字をもとに当メディアで計算)
48.4%65〜69歳の相談に占める「通信販売」の割合(85歳以上では18.6%、2025年度)

国民生活センターの2025年度の集計で、65歳以上の相談に占める「通信販売」の割合は、年齢とともに下がっていました[1]。

60代後半から70代前半の親ほど、ネットや通販の相談が中心になると言えます。

国民生活センター(2024)[2]

ネットを見ている最中に「ウイルスに感染している」などの偽の警告を出し、画面の電話番号にかけさせる「サポート詐欺」の相談は、年間5,000件台で推移していました。2023年度は前年度の同じ時期の約1.3倍で、特に70歳以上の相談が大きく増えました。

対象: 全国の消費生活センター等に寄せられた相談 / 限界: 相談された件数で、被害の全体数ではありません。

Grilliら(2021)[5]、Pehlivanogluら(2024)[6]

本物のメールと、だますためのメール(フィッシングメール)を見分ける実験で、年齢が高い人ほど見分けにくい傾向がありました[5]。18〜90歳の182人の研究では、自分のメールに30日間、訓練用の偽メールを1日2通送りました。年齢が高いほどだまされやすく、記憶などの認知機能が低いことも関連していました[6]。

対象: アメリカの中高年65人[5]、アメリカの18〜90歳182人[6] / 限界: 人数が少なく、日本の高齢者に同じ結果が出るかはわかりません。

03まだわかっていないこと

年をとるとネットでだまされやすくなるかは、研究で結果が分かれています。どんな声かけや練習が被害を減らすかも、確かめた研究はまだ少ない段階です。

  • 年齢差の有無: 100通のメールを使ったアメリカの実験では、若い人と高齢者で正答率に差がなく、全員が20〜30%を間違えました。高齢者は時間をかけ、慎重に判断していました[7]。
  • 相談件数の増加が、被害そのものの増加なのか、ネットを使う高齢者が増えたためなのか
  • 日本の高齢者で、家族の声かけがネットの被害を減らすかを確かめた試験(今回調べた範囲では見当たりませんでした)

04親と一緒にできること

親のスマホを取り上げず、「注文の前」と「困ったとき」に家族に声をかけやすくしておきます。困ったら、家族から消費生活センターに相談できます。

1

「お試し」を注文する前に、最後の画面を一緒に見る

ネット通販の最終確認画面には、価格や支払いの時期、申し込みの撤回・解除の決まりなどを表示することが法律で決められています[4]。「2回目からの値段と、やめるときの決まりも書いてある?一緒に見てみよう」と声をかけます。

目安 注文の前に5分

2

急な警告画面のときの約束を決めておく

国民生活センターは、警告画面に表示された連絡先には電話しないよう呼びかけています[2]。「画面が急に鳴っても、そこに出た番号には電話しないで、まず私に電話してね」と、責めずに伝えます。

目安 次の電話か帰省のときに1回

3

ネットで困ったときの相談相手になる

総務省の調査では、ネットの相談相手は全ての年齢層で「家族・親戚」が7割以上でした[3]。「わからないことがあったら、いつでも聞いてね。私もよく間違えるから」と、聞きやすい雰囲気をつくります。

目安 いつでも。月1回の電話で近況を聞く

4

トラブルに気づいたら188に相談する

消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センター等につながります。相談は家族からもできます[1]。通販の返品は、広告に決まりがなければ受け取りから8日以内に送料自己負担で可能です[4]。近くの見守りは地域包括支援センターにも相談できます。

目安 気づいた日のうちに

05よくある質問

高齢者のネットのトラブルで多いのは?

国民生活センターによると、2025年度の65歳以上の相談では、手口別で「インターネット通販」が69,399件、「定期購入」が46,958件で上位2つでした。化粧品や健康食品で、1回だけのお試しのつもりが定期購入になっていたという相談が多くみられます。

ネット通販で買ったものはクーリング・オフできる?

通信販売にクーリング・オフの制度はありません。ただし、広告に返品の決まり(返品特約)が書かれていなければ、商品を受け取った日から8日以内なら、送料を自分で負担して返品できます。迷ったら消費者ホットライン188に相談します。

親のトラブルを、子どもが代わりに相談してもいい?

できます。国民生活センターは、消費生活センター等への相談は家族やホームヘルパー、地域包括支援センターの職員からでも可能としています。消費者ホットライン188で最寄りの窓口につながります。

出典

  1. 国民生活センター. 2025年度 65歳以上の消費生活相談の状況(2026年9月16日公表). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_1.html
  2. 国民生活センター. パソコンで警告が出たらサポート詐欺に注意!-70歳以上で大幅に増加-(2024年3月27日公表). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240327_1.html
  3. 総務省. 令和7年通信利用動向調査の結果(2026年5月29日公表). https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf
  4. 消費者庁. 特定商取引法ガイド「通信販売」. https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
  5. Grilli MD, et al. (2021). Is This Phishing? Older Age Is Associated With Greater Difficulty Discriminating Between Safe and Malicious Emails. The Journals of Gerontology: Series B, 76(9), 1711-1715. https://doi.org/10.1093/geronb/gbaa228
  6. Pehlivanoglu D, et al. (2024). Phishing vulnerability compounded by older age, apolipoprotein E e4 genotype, and lower cognition. PNAS Nexus, 3(8), pgae296. https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgae296
  7. Sarno DM, et al. (2020). Which Phish Is on the Hook? Phishing Vulnerability for Older Versus Younger Adults. Human Factors, 62(5), 704-717. https://doi.org/10.1177/0018720819855570