体と健康

親が一日中テレビの前に座っている。座りすぎの影響と、無理なく動いてもらう工夫

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的資料2件を整理出典照合済み(2026-10-07)
テレビのある居間のいす
Photo: PattayaPatrol / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・サービスの紹介はしていません。出典は末尾)。

一日中座ってテレビを見ている暮らしは、長く続くと体への負担になりえます。研究では、座っている時間が長い人ほど死亡リスクが高い関連がありました。テレビを取り上げる必要はなく、座りっぱなしを途中で区切る小さな工夫から始められます。

3行でわかる

  1. 座る時間が長いほど死亡リスクが高い関連があり、1日9.5時間以上ではっきり高くなっていました。
  2. 息が上がらない軽い動きでも、多い人ほど死亡リスクが低い関連がありました。
  3. 60〜89歳の試験では、座る時間を1日約30分減らすと、血圧が少し下がりました。

01結論から言うと

座りっぱなしの時間が長い暮らしは、体によくない関連があります。ただし大切なのは運動を増やすことより、座る時間をこまめに区切り、軽く体を動かすことです。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、高齢者に向けて、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することを勧めています[1]。

同じガイドは、高齢者の目安として、歩く、またはそれ以上の強さの動きを1日40分以上(約6,000歩)としています[1]。とはいえ、急に散歩を勧めても続きにくいものです。

テレビは、親にとって楽しみや情報源でもあります。「見すぎ」と責めず、見ながら・見る合間に立つ工夫を一緒に考えるほうが、受け入れてもらいやすくなります。

02研究とデータでわかっていること

座る時間が長いほど死亡リスクが高く、テレビを長く見る日本人でも同じ関連がありました。座る時間を減らす試験では、60歳以上で血圧が下がりました。

9.5時間1日の座る時間がこれ以上で死亡リスクがはっきり高くなった(平均62.6歳・8研究のまとめ、2019年)
1.22倍テレビを1日7時間以上見る人の死亡リスク(3時間未満と比べて。脳卒中・心筋梗塞の経験がない日本の40〜79歳、2023年)
約30分座る時間を減らす6か月の試験で、1日に減った座る時間(米国の60〜89歳、2024年)
40分高齢者に勧められる1日の身体活動の目安(約6,000歩。厚生労働省、2023年)

Ekelundら(2019)[3]

座る時間が長いほど死亡リスクが高く、1日9.5時間以上ではっきり高くなっていました。息が上がらない軽い強度の動きでも、多い人ほど死亡リスクが低い関連がありました。

対象: 体につける機器で活動を測った8研究・36,383人(平均62.6歳) / 限界: 追跡研究のまとめで、座ること自体が原因かは決められません。

Teramotoら(2023)[4]

脳卒中や心筋梗塞の経験がない人では、テレビを1日7時間以上見る人は、3時間未満の人より死亡リスクが1.22倍でした。5〜7時間未満でも1.07倍でした。

対象: 日本の40〜79歳の約7万6千人を中央値19.3年追跡 / 限界: 1988〜1990年に聞いた視聴時間で、今の暮らし方とは違う可能性があります。

Rosenbergら(2024)[5]

座る時間を減らす6か月の取り組みで、1日の座る時間が比べた群より約31分減り、上の血圧も3.48mmHg下がりました。参加者は、新聞を立って読むなど、いつもの習慣に立つ時間を組み込む工夫をしていました。

対象: 米国の60〜89歳283人(平均68.8歳、座る時間が長く体重が多めの人) / 限界: 10回の助言に加え、立って使う机や活動量計も配られた試験で、家族の声かけだけで同じ効果が出るかはわかりません。

厚生労働省のガイドの成人向けの解説では、長く座り続けるのをできるだけ頻繁に(例えば30分ごとに)区切ることが、食後の血糖値などの面で大切だという報告を紹介しています[2]。

03まだわかっていないこと

高齢の親にとって何時間からが座りすぎか、テレビを減らすと寿命がのびるかは、まだはっきりしていません。

  • 座りすぎの「線」(研究によって違い、高齢者に絞った目安は決まっていません)[3]
  • テレビの時間を減らすと、死亡や病気そのものが減るのか(追跡研究で関連が見られた段階です)[4]
  • 家族の声かけだけで座る時間が減り、長く続くのか[5]

04親と一緒にできること

テレビは取り上げず、座りっぱなしを区切るきっかけを暮らしに組み込みます。立つ理由は「健康のため」より「手伝ってほしい」「一緒に」のほうが続きやすくなります。

1

まずテレビの楽しみを聞く

「最近、何の番組が好きなの?」と、親の楽しみに関心を向けます。「座ってばかりで体に悪いよ」と最初に言うと、責められたと感じやすくなります。

目安 電話や帰省で1回

2

CMや番組の合間を「立つ合図」にする

「CMのとき、一緒に立って伸びをしてみない?」と、自分も一緒にやる形で誘います。30分ごとを目安に、立つ・台所まで歩くなど小さな動きで十分です[2]。

目安 帰省中に一緒に数回

3

家の用事をお願いする

「お茶いれるの手伝って」「洗濯物たたむの一緒にやろう」と頼みます。軽い強度の動きでも、多い人ほど死亡リスクが低い関連がありました[3]。役に立っている実感も持ちやすくなります。

目安 1日の中で数回

4

足腰に合わせた動き方を相談する

立つのがつらそう、ふらつくといったときは、かかりつけ医に相談します。地域の介護予防の取り組みは、お住まいの地域の地域包括支援センターで聞けます。転ばないための運動は親の転倒を防ぐ記事にまとめています。

目安 気になったときに

車をやめて家にいる時間が増えそうな親とは、免許返納の話し方とあわせて、外に出る楽しみをどう残すかも話しておけると安心です。

05よくある質問

高齢の親がテレビを何時間見ていたら見すぎ?

何時間からが危ないという線は、はっきり決まっていません。日本の研究では、1日7時間以上見る人は3時間未満の人より死亡リスクが高い関連がありました。時間を減らすより、座りっぱなしを途中で区切ることを先に考えます。

散歩をしない親でも、家の中で立つだけで意味はある?

意味はあると考えられています。研究のまとめでは、軽い強度の動きが多い人ほど死亡リスクが低い関連がありました。厚生労働省のガイドも、強度を問わず少しでも体を動かすことが健康によいとしています。

膝や腰が痛くて立つのがつらそうなときは?

無理に立たせる必要はありません。厚生労働省のガイドは、立つのが難しい人も、じっとしている時間が長くなりすぎないよう少しでも体を動かすことを勧めています。痛みが続くときは、かかりつけ医に相談します。

出典

  1. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要・推奨事項一覧). https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf
  2. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版 推奨事項と科学的根拠. https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
  3. Ekelund U, et al. (2019). Dose-response associations between accelerometry measured physical activity and sedentary time and all cause mortality: systematic review and harmonised meta-analysis. BMJ, 366, l4570. https://doi.org/10.1136/bmj.l4570
  4. Teramoto M, et al. (2023). Television Viewing Time and All-cause and Cardiovascular Disease Mortality Among Japanese Adults with and without a History of Stroke or Myocardial Infarction. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, 30(12), 1817-1827. https://doi.org/10.5551/jat.63959
  5. Rosenberg DE, et al. (2024). Sitting Time Reduction and Blood Pressure in Older Adults: A Randomized Clinical Trial. JAMA Network Open, 7(3), e243234. https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.3234